そうだ、スイスへ行こうか! 続編
>満ち足りた心で胸を膨らませ 8:10下山列車へ<
さあ、これからが2度目の我らがハイライト・フリータイムハイキング。
カミさんと私は、アイガートンネルを抜けてすぐの
アイガーグレッチャー駅 (2320m)へ。
降りるよ~
ここから次の駅クライネシャディックまでの、下りハイキングが多いようですが、
まだ時間が早いためか、降りたのは私たちだけでした。
いってきま~す・・・・
一度駅内に入り、駅員に、
「ハイキング アイガートレイル こっちか (指でさしてです)」
ヤー、と笑いながら、ホームの向こう側になる路へ 案内してくれました。
(ハハハ・・ここでも出川スタイル会話だったね)
チョピリ不安と大きな期待に胸躍らせ、ハイキングのスタートです。
アビルゲン、2時間 下の緑の白抜き文字は Offenだから開いてるだね?
右の自転車マークは、赤丸は禁止マークなんです。
左の窪みにはマリア像。
アイガークレッシャー駅の頭上にそびえるのは、
右、メンヒ(4,107 m)、下を流れる全長2.6kmのアイガー氷河。
左はアイガー西端
朝陽を浴びるユングフラウ(4,158 m)左はメンヒ
真ん中雪尾根にスフィンクス展望台の有る、ユングフラウヨッホ(3454m)
ユングフラウの右の山魂はシルバーホルン(3695m)
さらにず~と右奥に目を移せば、一瞬雲を突き抜けて現れたのは?
この絶景を後ろにしてコースへと。
アイガートレイルは数年前に新設されたコースで、ハイキングルート解説書にも、
中・上級者向けと書かれていました。
添乗員さんの話では、先週まで残雪のため閉鎖になっていたそうです。
出発点はアイガーグレッチャー、終点はアルピグレンです。
岩壁にはめ込まれていた解説板。
距離、6km、差705m、上2320m~下1615m
1997年 開かれた かな??
(下写真は、コースをいろいろ調べていて見つけた、アイガートレイルを
歩くきっかけとなった写真)
真ん中の山 左 アイガー北壁、頂上 右、アイガー西壁 右奥 メンヒ
アイガーのあの北壁は、高さ1800mもあるそうです。
ちょっとアバウトですが。
右赤〇、アイガークレッシャー(スタート)、左へ下るオレンジ線がコース
靴紐を締め直し、さあ、出発です。
前にそびえる岩壁を目指します。
コースに入ると北壁のすぐ下を歩くので、岩壁に遮られて
ユングフラウ、メンヒなどのアルプスの山々の眺望はおろか、
あまりにも真上過ぎて、アイガーの頂上さえ見ることはできません。
しかし、間近で見るアイガーの厳しさ猛々しさ、荒涼としたガレ場に咲いている、
高山植物の花々が見られる感動のコースです。
(と、ハイキング資料にありました)
日陰の岩場は、キ~ンと冷気が頬を刺します。
朝はほとんど日陰を歩くことになるので、朝の花々は触ると凍れて氷花に!
右手は覆いかぶさる岩壁絶壁、左は落ち込むガレ場。
縫うように続く細い道筋。
スイス・アルプス、アルピニスト憧れの岩峰アイガー
その岩肌にじかに触れアイガーの鼓動を確かめる・・・・
いくわよ~・・はい! さあ、足を進めるぞ~。
スキーリフト場を過ぎると、左は切り落ちたガレ場に点々と花が咲き乱れています。。
雲の切れ間から見えた下界。
クライネシャデック駅、登山電車が登ってきます。
左がラウバーホルン(2,472m)、右頭を雲に隠したのがチュッケン(2,521m)。
チュッケンの後ろにメイリッヘンの尾根があり、見えているクライネシャデック
へと下ってくる、ツアーなどで人気のハイキングコースあります。
クライネシャデックには、アイガー北壁という題名で小説を書いている、
アルプスをこよなく愛した山岳小説家、新田次郎の石碑があるそうです。
ファルボーデの結構大きな人工池。
池の向こう側に回ると水面に映るユングフラウやメンヒ・アイガー3山の
姿が映り込むようです。
(パンフ写真拝借)
ガレ場に咲き乱れて、足が進まなくなってます。
せっかくアルプスへ来たので、せめてハイキングの中で登山雰囲気を味わいたい、
と選んだコースでした。
お~い、右手も注意、落石に気を付けて~・・さすがに緊張気味かな、
アイガーには雲が掛っていますが青空が広がり、足もとは高山植物の花園が広がります。
すっかり「アルピニスト」気取りの至福のハイキング。
空に向かって歩きます。
振り返り、
花の丘を登り・・・
北壁直下手前で、追い抜いていった二人組は、アイガー岩壁の登山でしょうか。
赤いウェアの方は、山岳ガイドのように見えました。
アルプスの三大北壁と呼ばれている、アイガー北壁は高さ1,800mの岩壁。
(他は、フランスとイタリアの国境に位置するモンブラン山塊の
標高4,208mグランドジョラスの北壁と、マッターホルン北壁)
今、この辺かな。
北壁では、すでにもうひと組が岸壁を登り始めてました。
後で調べてみると、ここはアイガー登山への練習岩壁場だったようです。
一般人の登山には、専門登山ガイドと登ることが義務付けられており、
技量テストを受けるんだそうです。
(マッターホルンの展望台で出会った、登山に来た方が言ってました)
テスト中かな?
雲が流れ少しだけ姿を現した北壁(左)
覆いかぶさるように垂直にそそり立つ北壁。
首を反らしただけでは見上げられません。
体を外側に弓なりに反らし、さらに首を45度近くに反らして見上げます。
側にアイガー北壁登山ルート標識が建ってます。
1938年にアイガー北壁初登攀に成功したときのルートが示してありました。
四角で囲ったところはユングフラウヨッホへ向かうトンネル内の鉄道駅
のところで、窓から外を眺められます。
ガスが昇ってきて、カーテンを引いてしまいます。
ふ~と音もなく立ち上るガスに包まれてしまいます。
ガスの中、ガレ場の上の方から奇妙な鳴き声が聞こえてきました。
グェグェとしわがれカエル声やクックックッとにわとり声。
氷河時代からの貴重な生き残り、茶の夏羽色の雷鳥ファミリィーでした。
カミさんが大喜び、しばらく撮影タイム
北壁に下から雲が立ち上り、風に煽られ
チラリと荒々しい岩壁が姿を見せます。
雲の下の方から、カランコロンと鈴の軽やかな音色がの上ってきます。
あの音色は・・
登って来た二人組もクライマーの様でした。
先ほどの登攀口へ向かうのかな
アイガー北壁直下二つ目ののガレ沢を横断してます。
落石注意です。
沢を渡ると再びお花畑が始まります。
あら、早く~・・てカミさんの呼び声。
指さす先に、アルプス三大名花の一つと言われる、
鮮やかブルーのエンチアン(リンドウ科)がまだ咲いていた!
三大名花に出会えたことになります。
追い越して行ったのハイカー
登って来たのは女性ハイカー
走るような速さで登ってきて、風のように遠ざかってゆきました。
見上げると、パンフで見た目安の岩峰と滝が見えました。
残念ながら雲に隠れてるが、アイガー北壁頂上真下に差し掛かったようです。
小さな雪渓も渡ります
日本人ハイカー、単独行の若い女性が同じコースを去って行きました。
今日がスイス最終日で、下山後空港へ向かうとのことでしたね。
そして下から登ってきた、20名ほどの日本人ツアー登山者に会い
挨拶を交わします。
装備からみても、山岳ハイキングをメインにしたツアーのようです。
それ以外、日本の方には会うことはなっかた。
だいぶ下って来たようです。
相変わらず雲が低く、遠見がありません。
向かい合うは、左ラウバーホルン(2,472m)、中がチュッケン(2,521m)。
右奥に小さくメンリッヒェン頂上。
スタート初に見えた人口池かな?
雪庇の沢を渡ります
ハロー、グーテンダーク、こんにちは
途中、見晴らしの良いところでランチタイム。
持ってきたお握りは硬めでしたが、それはそれで景色をおかずに、
美味しく頂きました。
雲が周りを取り囲み、遠望はあまり得られませんが、雲の切れ間から時折覗く
グリンデルワルド谷を挟んで対面する山魂は、お仲間が添乗員さんと行ってる、
山上湖や花園の点在する、ファウルホルン方向かな。
ガイガーを中心に、4000m級のアルプスの絶景ポイントでもあるそうです。
見えてるかな?
デジカメを超アップ
岩盤上を歩く感じ。
よく草が根を張れるもんですね。
牧場に入ります
この辺か、(青星)
真ん中にベッターホルン
下の尾根は昨日向こう側からバスで越えてきた、グローセ・シャイデック峠
岩壁を回り込むと、滝が現れます。
子供がわいわい、楽しそうですね・・
轟音と共に岩盤の割れ目を滝のように流れ落ちてゆきます。
アビルゲンの駅が眼下に見えてきました。
一枚岩のような岩盤上にも草が根を下ろし、牛がのんびり食んでいます。
先ほどのカランコロンは、ここから聞こえていたんだん。
滝から回り込んで下るガレ場道周りは高原の花園
コース案内道標が建ってます。
ここは標高1725m、真っすぐ進めば、アイガー東端を下って、グリンデルワルドに2時間半くらいで降りられるようです。
ただしペット連れは無理ですよ、かな?
(写したのはピンボケで、拝借フォット)
道標ではアビルゲンまで20分、なんだけど・・
ここからコースは、ほぼ左直下へ方向転換。
下の見えるアビルゲンへ向かって、標高差100mを急降下の九十九折。
針葉樹林帯の中を高度を下げると、再び花咲き乱れる草原に。
珍しいですね、白トリカブトの花
アイガーは雲間に隠れてしまいましたね
雲に覆われたこの右上方向が、アイガー山頂のようです。
さっきの滝がはるか上になっている。
コース中、前方に常に見え隠れしていた、
左、ヴェッターホルン(3,692m)ちょんとの突起が頂上のようです。
4000mには及ばないが、聳える雄姿はひと際どっしりと巨大の山容です。
中、シュレックホルン(4,078m)の北端。槍型頂上はもう少し右奥アイガーの陰。
右、アイガー東端がグリンデルワルトに落ち込む。
圧倒的な大きな岩の塊。威風堂々の山容
長いゴンドラで上がれる、なだらかに左右に広がるメンリッヒェンの尾根。
右、三角がメンリッヒェン(2,343m)、左・チュッケン(2,521m)左、頭が雲の中。
さらに左端がラウバーホルン(2,472m)
後で行くからね~
目の下すぐにアビルゲン駅が見えるのですが、なかなか近づきません。
最後の急降下で、さすがに膝はガクガク!!
PM1:30 アルピゲレン駅へ下山。
素晴らしかったわね~・・カミさんも大満足。
ああ、最高だったな~
雲流れる巨大な岩壁絶壁、岩盤草原に咲き乱れる花々。
ガスのカーテンの中を歩き、岩尾根上を歩き、ガレ沢を下り登り、
小さいながらも雪渓を渡り、結構アップダウンのアイガートレイル。
岩山登りはできなくっても、望んだアルプスのミニ登山体験。
十分触れ合えた山岳ハイキングだった。
例によって私たちの足並みは超遅く、なんと4時間越えの、のんびりハイク。
(これでは、団体行動ハイキングは参加できない!)
まだ時間が有るので、列車でグルントへ向かいます。
グルントからはヨーロッパ最長のゴンドラに乗り、
メンリッヒェン尾根(2222m)へ登ります。
そこから是非眺めたい光景が有るので。
続きます