猛暑を抜け出し、涼しい所へ、立山黒部アルペンルート (2)

扇沢、駐車場での車中泊

目覚めると空いていた両脇スペースに車が入ってます。

そういえば夜半にエンジン音を聞いていた。

そんな程度に昨晩は熟睡で、カミさんも割りと静かに駐車いてた、

と言ってましたね。

見上げる空は青空が大きく広がり、予報では雲の多い一日と有ったが、

期待してしまう朝の風景。

やはり涼しいですね。

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長袖をはおり扇沢駅まで歩き、洗面、トイレを済ませ持参のパンで朝食。

トイレは一番上の第一駐車場にきちんと掃除された綺麗なトイレがあり、

ウオシュレットつきになってます。

食べ掛けパンにむさい足、失礼します。

AM5:20、

三々五々、早くも登山装備姿の方やグループが駅方面や下り方面へ

出発して行きます。

もう改札に並ぶのかと思いお聞きしたら、黒部立山へ向かうのではなく、

針ノ木雪渓 針ノ木岳蓮華岳方面や 爺ヶ岳鹿島槍ヶ岳などの通称後立山への

登山の方々で扇沢にも登山口が有るのでしたね。

そうそう針ノ木は戦国時代に佐々成政が、積雪期に針ノ木峠を越えた記録があるんだ、

なんてカミさんにうんちくを垂れて、さあ支度しようか・・

(なんで佐々成正を思い出したんだろ??不思議だな~)

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アルペンルートの長野からは、トロリーバスで黒部湖、黒部ダムへ上がります。

始発時間カレンダーは、今日は平日、始発はAM7:30。

(繁忙日はAM6:30の様です)

まずは往復予約券を乗車券に切り替えます。

駅前駐車場は駅に一番近いところは、24時間2000円、

次いで一段下がって24時間1000円。

知る限りでは、一番高い駐車代かな?

駅から徒歩で5・6分に無料駐車場(約250台)が用意されてます。

土日祭日、最繁忙日などには、数キロ下に臨時駐車場が用意され、シャトルバスが

運行されるそうです。

夏シーズン、平日とは言え、やはり無料駐車場から満車になるようで、

私たちが出立したころにはほぼ埋まってましたが、有料の方にはまだ多くの空き

スペースがありましたね。

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始発バスは立ち乗車ありの満員の5台で運行。

長い関電トンネルをトロリーバスは走り、平均10度、最大13度の急勾配の

トンネル内は、夏でも気温は10度前後、空いた窓からの風が冷たすぎて、

寒いぐらい。とうとう誰かが窓を閉めてしまいました。

摂氏4度という冷たい地下水と土砂が、毎秒660リットルも噴き出した破砕帯。

くろよん建設最大の難所で、破砕帯突破に向けて7ヶ月にわたる苦闘の末に突破した

破砕帯を示す青い看板や照明点灯所を通過し、AM7:50黒部ダム駅着。

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 立山室堂へ急ぎの方は、一番発のケーブルカー乗り継ぎのため急ぎ足で

ダム堰堤を渡り向かいます、

バスは満員5台できますが、次の乗り継ぎはケーブルカー。

キャパスティーが違い、混んでるときはここから待ち時間が発生します。

こちらは待ち時間も楽しみタイムと、まずはゆっくり黒部ダム散策へ220段の

階段を登り展望台へと向かいます。

いや~まだ体が動いてないので、この階段がキツイー!!

(足腰の弱りを実感させられる)

でも寒いくらい涼しい~・・階段手すりも冷え冷え!

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レストハウスの屋上、最上階展望台へぱっと飛び出します。

轟音の中に目に飛び込む大景観! いや~すごいね、凄いわね~で

しばし声無し見下ろします。

今、ダムの見どころハイライトは大放水。

そして見上げる前方に立山連峰

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大放水、そして黒部川の渓流を眺めながら下ります

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写真左上、真っすぐ行けばダム堰堤ですが、昔来た時には無かった、

新に設けられた一段下の新展望台へ下ります。(上りがつらかった!!)

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一番下になる新展望広場(レインボーテラス)では

  手が届きそうに大迫力で迫る観光大放水。

広場には黒部ダムの歴史などを見ることが出来る特設会場も設けられてました。

 

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 先行していたカミさんが立ち止まり、下を指さしてます。

見ると、そこには・・

  『母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?』 

 がふっと浮かぶ光景がありました。

詩人、西条八十「ぼくの帽子」より も、森村誠一の小説の映画化「人間の証明

(1970年代後半)のキャッチフレーズになったことで、TVなどで

何度も何度もがなされ、いやでも耳に入ってしまった言葉でした。

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ぼくの帽子  西条八十
”母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。
母さん、あれは好きな帽子でしたよ、
僕はあのときずいぶんくやしかった、
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。
母さん、あのとき、向こうから若い薬売りが来ましたっけね、
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとして、ずいぶん骨折ってくれましたっけね。
けれど、とうとう駄目だった、
なにしろ深い谷で、それに草が
背たけぐらい伸びていたんですもの。
母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?
そのとき傍らに咲いていた車百合の花は
もうとうに枯れちゃったでせうね、そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。
母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、
あの谷間に、静かに雪がつもっているでせう、
昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y.S という頭文字を
埋めるように、静かに、寂しく。”

 

詩に詠われる碓氷峠

中山道歩き旅で昨年秋に峠越えをし、その時に、この詩を初めて読んだんです。

 

「やっぱり、口にしたわね・)てカミさんに笑われながら、

さて、ヘイコラヒィヒィ階段を登り返し、ダム堰堤を渡りケーブル乗り場へ

足を運びます。
水位はかなり低く見えますが、自然の猛威をまざまざと見せつける流木

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AM9:10、

あっ、出てるわよ!のカミさんの声に覗き込むと、大放水に陽が差し込み、

虹が現れます。

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しばし虹の大放水を眺め、さあ、そろそろ上へ上がろうか。

堰堤を渡り黒部湖駅へ。

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黒部ダム、景観は「デジブックアルバム」にて。

(アルバムには7日の写真も含まれてます)

デジブックアルバムは無料ですが、登録が必要になります。


(3)へ続きます。