歩いて再び京の都へ 旧中山道夫婦旅   第3回  前編 浦和宿~大宮宿へ 

平成28年6月18日、3年半をかけて東海道五十三次を旅し、京の三条大橋に立ちました。 そして夫婦は旧中山道69次の旅、再び京を目指して歩いています。 9月27日(土)、江戸から3番目「浦和宿」東木戸跡へ着き足止め。

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10月2日(日)、再び旧中山道夫婦歩き旅へ向かいました。 早めの朝食、家事を終えて電車を乗り継ぎ、埼玉県・さいたま市浦和駅に。 AM9:10 浦和宿東の木戸跡より旅立ち。

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 ははは・・地面近くにカメラをセットしたから、へんなフォットだな・・ 気温は高め絵も日中曇り空の予報だったのに、青空が広がりぐんぐん気温上昇! こりゃ服装誤ったな。

英泉、画く 浦和宿

英泉画 浦和宿、「支蘇路ノ驛 浦和宿 浅間山遠望」に、煙立つ浅間山が描かれた場所は、 歩いてきた蕨宿から浦和宿への坂道「焼米坂」を上り切った付近で、名物の焼き米を食べさせる、 立場茶屋付近を描いてます。 浅間山は活火山。いまでも噴火を繰り返し、川越の北東やのこの付近からも眺められます。 そうそう、ずーと先になりますが、旧中山道・軽井沢宿からはしばらく浅間山裾野を歩くんですね。 浦和宿は江戸から約6里(約24km)、日本橋を出てから3番目の宿場町。 本陣1、脇本陣2、旅籠15、の宿場としては小規模であったようですが、商家は200軒余りあり、 このあたりで採れる農産物などを商いする、市場として賑わっていたといわれます。 平成の大合併で誕生したさいたま市(旧浦和、与野、浦和市)。 現在は人口120万人の大都市で、浦和区は行政的中心、埼玉県の県庁が置かれてます。 政令都市「さいたま市」の誕生で街は見違えるように整備され、街道両側は近代的なビルが立ち並び、 宿場としての面影はほとんど見られません。

 

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浦和宿石碑から300mほど行くと、左手に「門前通り」と刻まれた石柱の建った通りがあり、 奥突き当りに平安時代頃に弘法大師により創建されたと伝わる真言宗の古刹「玉蔵院」があります。

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境内には地蔵堂としては立派なお堂(埼玉県指定有形文化財)があり、平安時代末期の作となる地蔵菩薩立像が安置されています。 池のそばには、樹齢100年以上といわれる枝垂れ桜があり、春の花も見事でしょうね。

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街道に戻り、左手に近代的ビルのうらわ美術館の建つ仲町交差点先を入ると、小さな仲町公園があります。 ここが「浦和宿・星野権兵衛本陣跡」で、本陣跡の説明板がありましたが、本陣の往時を偲ばせるものは 残っていませんでした。 星野権兵衛は天正18年(1590年)秀吉の北条攻めさい、岩槻城攻め道案内の功により、苗字帯刀を 許された家柄とか。 ただ本陣の表門は、緑区大間木に移築され、市指定の有形文化財となってるそうです。

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移築の表門(市資料より)

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100mほど進むと左手に野菜を売る「農婦の像」と市場通りの説明碑があり、左折して突き当りが 常盤公園となってます。

道奥の常盤公園は、江戸時代初期は「徳川家康、秀忠が鷹狩りの際の休憩所・御殿として使用され、、 後に紀州徳川家の鷹狩場御殿だったが慶長16年廃止され、後も「御殿跡」「御林」の名で幕府に保護され、 その浦和御殿跡が現在の常盤公園です。

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市場があった場所は「農婦の像」から少し先の慈恵稲荷社頭で、「ニ・七市場跡標柱」と「御免市場之杭」が残されてます。 市場は戦国時代に開設されたといわれ、毎月二と七の日に開かれたので二・七市場と言われ、 昭和初期まで続いたのだそうです。

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f:id:hansui:20180127121410j:plain二・七市場の跡からすぐ左手に、真言宗豊山派の尼寺「成就院」の大きな案内板が現れます。 幅の狭い境内入り口ですが、奥に広大な墓地があり、奥行きの深いお寺です。 入って左右に2mあまりの灯篭型の六地蔵塔がおかれています。 両方に元禄(1688年と1704年)の文字がみえ、上部の灯篭部分に、高さ30センチの地蔵尊を浮き彫りした 珍しいものでした。(灯篭ではないんですね) 六地蔵塔(ろくじぞうとう)は、主に戦国時代に盛んに造られた石塔で、九州に多いんとか。

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中山道は県道65号さいたま幸手線。 国道463号線の高架が見えてきましたが、この付近までが浦和宿(確認する門は残ってません)。

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中山道は、JR(東北線宇都宮線)、高崎線湘南新宿ライン京浜東北線が下を並んで走る浦和橋という跨線橋で東側に出て、さらに線路に沿って旧中山道(県道65号線)は北上します。

カミさんが見つけて、かわいいね・・

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跨線橋から見ると向う右側に笹岡稲荷神社があります。

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考察された方の資料によれば、浦和市立郷土博物館発行『特別展 中山道浦和宿』に このような資料があったそうです。

そのことから浦和跨線橋付近に江戸から6番目、浦和の一里塚が有ったと考えられるそうです。 緑〇(紫線、鉄道)

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(参) 現、地図測定でも、一つ前の江戸から5里目、辻の一里塚よりここまで、ほぼ4km(一里)でした。 そんなうんちくをカミさんと話をしてる内に、北浦和駅東口の十字路まで来てしまいました。

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歩いて来た県道65号線(旧中山道)はここで東に右折し、ずーと先で日光御成街道にさらに日光街道(奥羽街道) へと繋がってゆきます。 旧中山道はまだ北進、ここからは県道164号鴻巣桶川さいたま線と変わります。 浦和といえば浦和レッドダイヤモンズ(通称浦和レッズ)です。 北浦商店街の浦和レッズのマスコット「レディア」と選手の足型。

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まっすぐの中山道を300mほど進むと、左手に「さつまいもの女王・紅赤の発祥地」と記された説明板と、 紅赤の発見者の菩提寺、廓信寺の石柱があります。

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紅赤は明治31年(1898年)、埼玉県木崎村(現さいたま市浦和区)の農家の主婦・山田いちさんが偶然に発見したサツマイモの突然変異種だそうです。 「金時」と言えば、今ではサツマイモの代名詞のような品種なのですが、その発祥の地がこの北浦和だったんですね。 (家から北東、川越市方面に向かう道の両側に、サツマイモ農家がずらりと並んでます。)

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廓信寺は小さいながらも江戸後期に建立された仁王門を備えており、小振りりの仁王像が安置されてました。 浄土宗なので頭を垂れてお参り。

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北へと延びる中山道。 北へ向かう真後しろから、真夏日の太陽の陽。 ちょっとでも日陰を選んで歩きます。  おや、八重山吹が返り咲?

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変則五差路となっている、大原陸橋東交差点の左二差に挟まれて、「庚申塔」が鎮座しています。 青面金剛像、押えられる邪鬼、「見ざる・言わざる・聞かざる」の三匹の猿。 正徳4年(1714年)建立と記されてました。

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五差路交差点を渡ると「一本杉の仇討ち」の碑と案内板。 そして杉の若木が植えてあります。 (幕末の中山道に伝わる大事件!? 知らなかったね)

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ほんの100mほど、道の左(西)は与野地区、歩いてる右(東)は浦和地区。 JR与野駅も近いですが・・・

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与野駅東口前の交差点に半里塚として、推定樹齢300年高さ13メートルの欅があったが、 2008年に樹木医の診断で根本部分に回復不能の腐食が見つかり、2010年5月19日管理者の さいたま市によって伐採された。与野駅構内に幹が展示されているそうです。 (たしか旧与野市の駅は、品川駅が港区にあるように与野市ではなく浦和市ではなかったかな?) 与野東口交差点を過ぎると左手や前方に、「さいたま新都心」の高層ビル群がど~んと聳え立ってます。 その先には涼しげなケヤキ並木が見えてきました。

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気温はぐんぐん上がり、蒸し暑さも半端ではないような・・・30℃近いように感じます。 11時、まだ早いですが今日も足休めを兼ねて早めのランチへ。 ヒンヤリのレストラン、ふ~・・・生き返る!

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(パスタの前菜、おいしかった!) 旅は後半へ・・