先日の中山道街道旅で出会った小さな花、それは「センブリ」の花でした。
咲いていたのは一か所だけでしたね。
旅の写真を整理していて、「 センブリには紫もあったはず」と思い出し、
近場では、ここなら栽培してるだろうと調べたのが、
時々訪れる「東京都の薬用植物園」。
今咲いていると確認でき、近くの大型ホームセンターへも用があったので
27日に寄り道をしてきました。
植物園には春、夏はよく来たのですが秋は初めてでした。
園に入ってすぐに目に入ったのは、「ヤマジノギク・キク科」とありました。
野菊と総称されてるには「ヨメナ」や「ヤマシロギク」「ノコンギク」など
知られてますが、ここに咲いてるのは綺麗な色合いの野菊でした。
解説資料には、
「今、ここで咲いているヤマジノギクは。東海地方以西に分布する野生の
ヤマジノギクを、大分県農林水産研究指導センターの花き研究所にて、
50年以上の年月をかけて品種改良し、園芸化した花です。
10月から12月にかけての切花として関東・関西を中心に全国へ出荷されています。
公益社団法人東京生薬協会が平成27年より大分県杵築市において生薬栽培指導を
行っている関係で、昨年に引続き、展示用として特別に同センターと譲渡契約を
結んで植栽しております」
と記されていました。
原種分布は本州(中部以西)、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸東北部で、
原種は都道府県によっては、絶滅危惧種に指定されてるそうです。
(京都府などで指定されてるそうです)
白花のフサフジウツギ(フジウツギ科)
有毒植物、誤って食べると胃痛やけいれんを起こす。魚毒成分を含む。
よく見るのは房状の紫色の花です。明治中期に観賞用として中国より渡来し、
一部野生化しているのがみられる。
園芸品種に白花や赤花があるそうです。
お目当てのセンブリ、紫花は鉢植えで咲いてました。
ムラサキセンブリ、(紫千振 リンドウ科 センブリ属 )準絶滅危惧種
野生のムラサキセンブリは自生地の開発などにより減少し、準絶滅危惧種に指定されています。
花はセンブリよりも大きく、イブニングスターの流通名で、切花などの観賞用花卉としても栽培されています。
近年は薬用には使用されていないようです。
センブリは日本のほか、朝鮮半島から中国にかけて自生する二年草で、
古くから健胃剤などの民間薬として利用されています。
名前は「湯の中で千回振り出してもまだ苦みが残る」ことに由来し、
一説に「千回身震いするほど苦い」ともいわれます。
山野に生育する2年草で、生育2年目の秋に開花します。
植物全体に残留性の苦味をもち、わが国では室町時代から健胃、腹痛などの薬用にされてきました。
消化不良、食欲不振に苦味健胃薬、整腸薬として熱湯中に浸して振り出し、または煎剤として服用される。
センブリは地植えと
鉢植えで栽培されてました。
チコリ キク科 別名 キクニガナ
ヨーロッパでは利尿薬などの民間薬として利用。
根は炒るとコーヒーの代用になる。
セキヤノアキチョウジ(シソ科)
セキヤ(関屋)とは関所の建物のことです。ここでは箱根の関を意味しているとされ、本種が関東・中部地方の山地に分布することと関連があると考えられます。
西日本には類似種のアキチョウジが分布します。花はとてもよく似ていますが、
アキチョウジは花柄が短く、やや太いという違いがあります。
スズムシバナ(キツネノマゴ科)
近畿地方以西の、林の下などに生育する多年草です。
草木図説(嘉永年間)ではスズムシソウの名で図解されていますが、ラン科の植物にもスズムシソウがあって名前が重複していたため、本種の標準和名はスズムシバナになりました。
ヘビウリ ウリ科 インド地方原産
明治時代に渡来。
秋にできる、にょろにょろの ヘビみたいな実がなる。
実はスープ、炒め物など食用になる。
花はカラスウリの花に そっくり。
ノゲイトウ ヒユ科 インド原産
中国では、まれに漢方処方に配剤されます。
低山、山地や高原の落葉樹林や草原に生育する多年草です。
山地や高原では8月から咲き始める。
サラシナとは晒菜の意味で、若葉をゆでて水にさらして食用としたことによる
といわれます。
漢方処方用薬:発汗作用、解熱作用(升麻葛根湯、辛夷清肺湯ほか)
リンドウ(リンドウ科)
朝夕の冷える季節、リンドウが咲くと、本格的な秋の深まりを感じます。
花は、晴れた日の日中にのみ開き、夕方や曇天の日は閉じています。
漢方処方用薬:尿路疾患(竜胆瀉肝湯ほか)
粉末は苦味健胃薬として配合剤の原料
ミセバヤ(ベンケイソウ科)
絶滅危惧IB類
和名は「見せばや」で「見せたい」という意味の古語にちなみ、花の美しさを表しているといわれます。
自生個体は、小豆島と奈良県の限られた川沿いにのみ分布し、もともとの個体数が少ないことに加え、護岸工事や園芸目的の盗掘によって絶滅の危機に瀕しています。
分布、本州(奈良県)および四国(小豆島)
ツノゴマ(食用(ピクルス) ツノゴマ科
原産地、北米南部〜メキシコ
果実は鉤状に湾曲。内果皮が木質化し、熟すと二股に裂け、種子を散布する。
サフラン(アヤメ科)
柱頭(めしべの先端部)を薬用とするほか、料理の色味と香味付けにも用いられます。
観賞用のクロッカスは同属、ただしそちらは薬用にはなりません。
欧州では鎮静、通経薬、日本では冷え性など
原産地、地中海沿岸からインド
名前の似ているイヌサフランは、有毒植物です。
リュウノウギク(キク科)
里山にみられるキク属の植物です。乾いた斜面を好み、10月から11月に開花します。
「野菊」と俗称されるキク科植物の中では開花期が遅い方で、この花が咲くと秋の深まりを感じさせます。
和名は、匂いが竜脳(樹木由来の薫香料)に似ているということに由来し、両者は共通する精油成分を含んでいます。
民間療法で冷え性、神経痛、凍傷、浅い切り傷などの治療に浴料とする。
分布、福島県以西
リョウリギク(キク科)金唐松
キクの園芸品種から、味や香り、歯触りのよいものを選別した栽培品種です。
食用(酢の物、和え物など)
原産地、中国
山形県の特産品に赤い花の「もってのほか」の名がありますね。
中国原産で、日本へは平安時代頃にもたらされたと考えられています。
他の野菜の育ちにくい土壌でも生育でき、海岸砂丘などで栽培されています。
新しい分類体系であるAPG III体系では、この仲間(ネギ属)はヒガンバナ科に
分類されています。
去痰作用の目的で漢方処方に配剤されることがある
原産地、中国
四国の高知を訪れた折、海岸線に一面の紫絨毯模様で咲いてるのを
見たことがありますね。
フジバカマ(キク科)
秋の七草のひとつに数えられます。奈良時代のころ中国より渡来したと考えられています。
生花店などに流通する濃いピンクの「フジバカマ」は、同属のサワヒヨドリとの雑種と考えられます。
自生のフジバカマは川の土手などに生育しますが、河川の護岸工事などにより個体数が減少し、準絶滅危惧種となっています。
生薬名をランソウ(蘭草)といいます。葉が半乾きのとき「桜もち」に似た芳香を放ちます。
薬用以外では、衣類の消臭、香り付けなどに用いられました。
「蘭」は、古くは芳香のある植物を意味し、その後、特にラン科植物を指すようになったといわれます。
民間療法として、皮膚のかゆみに浴用剤として用いる。
また軽度のむくみ解消に煎用
原産地、中国原産とされる。日本には関東以西に分布
2000kmにもなる渡りをする「蝶・アサギマダラ」の食草です。
フジバカマの蜜に含まれている成分が、アサギマダラにとって大事な成分に
なっているようです。
昨年9月に、目当てで訪れた赤城山自然園でのアサギマダラ
お目当てのムラサキセンブリも咲いていて、いい花巡りで
学習もさせていただきました。
10月27日(土)
東京都小平市
東京薬用植物園
花の解説は、付けてあった花札、パンフレットから引用です。