東京に桜咲いた、の宣言がでたら雪が降ったりの弥生三月。
彼岸の21日は遂に傘寿、80才到達。
マイカー無しで過ごしていたが、定年後に30年ぶりに運転再開。
高齢者講習、検査を受けながら免許更新をし、まだまだの気は十分
未練あれど、事故を起こしてからでは「後悔先に立たず」。
カミさんとの約束もあって、年初に春には免許返上、コロナ騒動の中ではあるが、
20日、夜明けとともに、思い出道へ最後の一走りへ,
と、出かけたドライブも、群馬県に入り埼玉の自宅へ向かって、
寄り道しながら帰ります。
群馬県高崎市の高崎白衣観音を後に山を下り、国道17号に出て南下し、
途中から、県道13号、国道254号とかって良く走った一般道を行き、
県境となる神流川を渡ると、群馬から埼玉県入り。
向かうは、埼玉県の北西部に位置し、源平合戦で名を馳せた武蔵武士児玉党の地、
児玉(現本庄市児玉町)の真言宗豊山派の平等山宝金剛寺成身院の境内にある、
百体観音堂です。
お堂は成身院の境内から少し離れた山上にあり、拝観にあたっては、
裾にある本庄市観光農業センターで手続きをするようになっているので、
成身院には寄らずに、車を直接センター駐車場へ入れます。
ここて拝観手続き、百体観音の由来などの解説があり、拝観料300円を収め、
裏手の階段を登り、さざえ堂へ向かいます。
市の 案内文によると、
「百体観音堂は、1783(天明3)年におきた浅間山の大噴火と飢饉よる死者を弔う
ために建立され、観外観的には2層ですが、内部は3層で「栄螺堂(さざえどう)」
と呼ばれる二重らせん 構造回廊式の特殊な建物になっています。
堂内は階層ごとに霊場が異なり、1階は秩父三十四観音霊場で、2階は坂東三十三
観音霊場、そして3階は西国三十三観音霊場となっており、各寺院の本尊が
「移り本尊」として祀られ、全部で百の本尊が安置されていることから百体観音と
呼ばれています。
江戸時代に建てられた当初の百体観音堂は明治21年に火災で焼失し、明治21年(1888)の火災で観音堂を焼失して、観音像は全て溶けてしまいましたが、
明治43年(1910)に再建され、安置された観音像は60体だけでした。
その後も本堂が全焼したり、太平洋戦争中に梵鐘と大灯篭を供出したりしたが、
多くの方の善意と努力により一体一体寄進され、観音像を失ってから100年の時を
経て、再び100体すべてが安置された、とも記されてます。
会津若松の旧正宗寺三匝堂(円通三匝堂)、群馬県太田市の曹源寺本堂と並び、
拝観できるさざえ堂としては日本三大さざえ堂の 一つと言われている」
とあります。
「唐銅造(からかねづくり)大日如来像」は、本庄市指定文化財です。
右手後ろに見える寛政7年(1795)に鋳造されたといわれる「大鰐口」は、
直径1.8mで日本最大だそうで、これも本庄市の指定文化財です。
お堂には見事な彫刻も施されています。
入り口はお堂の東側で、鉄板の重たい引き戸を開けて入ると、
堂内は右周り(時計廻り)の一方通行で参拝する構造で、参拝しているうちに
最上階の三層に到着し、同じ通路を通らずに出入口へと出てくる構造です。
お堂に入ると、まずは1階の南側です。
会津若松市の「円通三匝堂」には、桜巡りで回った時に寄りましたが、
中の回廊だけでなく建物自体も渦巻き状です。
群馬県太田市の「祥寿山曹源寺」は、立ち寄ったことは在りませんが、
建物は普通の2層建築で中の回廊が渦巻き状だそうです。
百体観音堂は、建物は普通の2層建築で内側が平らなフロア3層になってます。
各層は階段と言うより、急傾斜の梯子段で結ばれていますが
、同じフロア、階段を通ることはありません。
近年寄進された仏像ではありますが、それぞれのお姿は大変美しく、一つひとつ
足を止めて対話するように回ります。
1層は秩父三十四観音札所のご本尊が並んでいます。
直立に感じる上り梯子状階段は、もし下りなら後ろ向きでしか降りられないな~。
2層には、坂東三十三観音が並んでいます。
2層目の中央の部屋は青が施され、一際美しいく厳かな雰囲気だ漂ってますね。
右側には、「三仏堂」に祀られていた「三仏」が安置されています。
左側の「薬師如来像」は寛正7年(1466)、中央の「阿弥陀如来像」と
右の「釈迦如来像」は応永12年(1405)のものとのことで、観音堂よりも
350~400年くらい古い室町時代(1400年代)造立の仏様だそうです。
左に階段から上がってきて時計回りに回り、正面の壁画のところ右手から3層目に
上がります。
左を見ると、2層目が外側の建物と離れていることが分かります。
三層目には美しい色彩に彩られた部屋となっており、
天井の中央に天女が描かれた大きく描かれ、古い時代ものではありませんが
色合いも鮮やかで美しい天井画です。
いままさに満開の桜。
寄ってよかったわね~のカミさんの呟きを聴きながら山を下り家路へと。
児玉付近は近くの鬼石の冬桜、長泉寺の樹齢650年といわれる、骨波田の
藤(ムラサキナガフジ)、神流川沿いの氷瀑・早滝など、何度かマイカー訪れた地。
そんな思い出を語りながら、今日は懐かしの国道254などを走り家路へ向かい
約700kmの最後のドライブが終わりました。
(鬼石の冬桜)
(骨波田の藤)
[完}