東京都薬用植物園

久しぶりに電車を乗り継ぎ、東大和市の東京都薬用植物園へ。

園内は秋の色合いを濃くし始め、花は少ないがゆっくり4時間も滞在していた。

鮮やかな紫色系の発色が美しく品の有る「ヤマジノギク」、キク科シオン属。

東海地方以西の草原に咲くヤマジノギクを、大分県農林水産研究指導センターにて、

50年以上の年月をかけて品種改良し、園芸化したという。

例年は10月が見頃だったそうですが、今年はこれからの様子。

隣には鉢栽培デサフラン

園内には藁敷きのサフラン畑もあった。

一番のお目当てだった「センブリ」は少し遅かった様子。

何鉢か栽培されてるが、花がごく小さく、数もちらほら。

山野に生育する二年草で、室町時代から健胃、腹痛などの薬用にされてきたという。

花はセンブリよりも大きく青紫色が鮮やかな「ムラサキセンブリ」

主に中部地方以西に分布する二年草で、野生のムラサキセンブリは自生地の

開発などにより減少し、準絶滅危惧種に指定されている。

そして紫の花は「ハナトリカブト

トリカブト類は山地の林等に自生し野山でよく見かけることが有る、

キンポウゲ科多年草

ハナトリカブトは中国原産のトリカブトで、薬用植物として栽培されています。

特に塊根は猛毒とのことで、鉄柵囲いの中に咲いていた。

ハマナス(ハマナシ)の実

北日本の海岸(北海道から、太平洋側は茨城県日本海側は島根県まで)に生育する

落葉低木でバラ科バラ属のバラ原種のひとつ。

故郷の海岸にはたくさん群生し、花後のトマトのような実はよく口にしたもんです。

ちょと変わったひょうたん型のカボチャ。

ニホンカボチャ・品種名:鹿ヶ谷(ししがたに)」とあった。

濃い緑色から熟して今の茶色のカボチャ。

鹿ケ谷南瓜は京の伝統野菜で、江戸時代の文化年間(1804~1818)の頃山城国粟田村(現・京都市東山区粟田口)の農夫が旅先の津軽から持ち帰った南瓜の種を。

愛宕郡鹿ヶ谷村(現・左京区鹿ヶ谷)の農家にあげ、それを栽培し始めたのが

ルーツだという。

当初は普通の日本南瓜型だったものが、栽培を繰り返すうちにひょうたん型になった

とされ、鹿ケ谷でこの南瓜が作られるようになり、京都では、「おかぼ」と呼ばれ

親しまれてきました。しかし、現在では極僅かしか作られなくなってしまい、

一般市場にはほとんど出回らないとい。

、その形の面白さや季節感から、お茶席などの飾物として飾られるそうな。

鮮やかな紅い小さな実を付けた樹木は「ハナヒョウタンボク」とあった。

赤い実は2つの実がつながって、瓢箪(ひょうたん)形になっていることから命名

秋風にゆらりとそよぐは、少し背丈の低い「ヤクシマススキ」

屋久島原産のイトススキの仲間という。

ロックガーデンに咲く「リンドウ」

根および根茎を漢方処方用薬などに利用。

ホトトギスは終わっていた。

大きな木に今年も鈴なり。

中国原産の落葉高木「オオモクゲンジ(ムクロジ科)」の実。

花の開花期は短く、最盛期には木が黄金色に染まるというが、

花期は9月らしいが、まだ来たことはないんです。

秋の袋状の果実もピンク色に染まって、その光景も花が咲いてるよに美しい。

これも鈴なりの鮮やかな赤い実はいかにも美味しそうな「ガマズミの実」

梅干し並の酸っぱさで、酸味のせいか鳥も好まないらしい。

隣には、おやもうマンサクが咲いている。

アメリカ原産の落葉高木「アメリカマンサク」。

開花期が早く、葉の黄葉とともに糸状の花を咲かせる。
葉や樹皮にタンニン等を含み、民間薬としてきた植物で、現在は化粧水などに

用いられているという。

山ぶどうのような蔓植物はすエビヅル(和名:海老蔓または葡萄蔓)。

ブドウ科ブドウ属で、ヤマブドウや野ブドウもエビヅルの仲間ちう。

実はぶどうの味だそうで、ワインにもなったという。

前方に大木が有り、何やら花が咲いてるように見えた大木は、

中国原産の落葉高木で「カンレンボウ」。

白い球状の花が夏の暑い盛りに咲くようで、訪れたことは無し。
成分は抗がん剤などとして実用化されているという。
秋になる多くの実をつけることから、子孫繁栄・喜びの木として、

別名をキジュ(喜樹)という。

小さな可愛らしいバナナの実のようなカンレンボクの実

鮮やかな赤紫の実は、アジアやアフリカの熱帯原産のローゼルアオイ科の実。

花はオクラによく似ていて、実はハイビスカスティーの材料として利用される。

食用になるのは萼(がく)および苞(ほう)と呼ばれる部分で、上側の赤い部分が苞、

下側のトゲトゲした部分が萼で、どちらも赤くなった頃が食用に適しているという。

(花は昨年訪れた時の写真です。)

青空の下、大きく咲いていたのは、アフリカ原産のアオイ科ケナフ

麻の仲間で、ジュート(黄麻)の代用繊維として、また木材繊維に代わるパルプの原料としても利用され、エジプトのミイラを包んだ布もケナフが使われているという。

近くにまだ花の残ていた「ラッキョウ」の花。

珍しかったのは「クロホウズキ」の実

ナス科、 オオセンナリ属、 オオセンナリの園芸種、

花後にはホウズキのような袋が出き、中には黒い実。

葉には、ハエや虫を寄せ付けない成分が含まれているという。

そして最後は、園内で遠くからも見えてる大きな樹が紅葉している。、

大木はムクロジ科の「ハナノキ」
日本固有種で、愛知県北東部から岐阜県南部・長野県南部にかけての丘陵地などに

自生する落葉高木。
花は残念ながらまだ見たことはありませんが、春、葉に先がけて咲く紅色の花序が特

徴的で「花の木」の和名があるという。
晩秋には鮮やかな紅葉を見せるが、個体群の存続が危ぶまれるため、

絶滅危惧植物に指定されています。

中山道の歩き旅の折り、岐阜県の山中で群生を初めて知り、近江(滋賀)路では

お寺などの境内で、綺麗な紅葉を見たことが有った。

来春には、ぜひ花を見たいもんだと思ってます。

中山道、近江路(滋賀)で出会たハナノキ紅葉

薬草園の花木、実りはまだ沢山ありますが、またの機会に。