甲州街道四十四次 2 前編

よろよろ亀足ペンギン歩きでも、足さへ前に出せればいつかは目的地にたどり着く。

今度の街道は、お江戸日本橋から甲州(山梨)を経て、信濃(長野)下諏訪まで、

甲州街道44次。

躊躇していた街道歩き旅、始めてしまいました。

 

令和5(2013年)年1月4日,

お江戸日本橋を旅立ち、皇居(旧江戸城)お濠周りを約半周し、半蔵門から西へ

向かい四谷見附跡(四ツ谷駅)で初日は足止め。

好天続きだった天気も20日ぶりくらいに雨になり、冬らしくなって来た。

寒さも増してきたが、天気予報は晴れ時々曇りの19日、2回目の甲州街道へ。

電車を乗り継ぎ、新宿区四谷一丁目にあるJR中央線四谷駅へ。

東口へ出るとすぐ横は石垣が見え、前回足止めの旧外堀で大番所があった四谷見附跡。

AM10:00 第2回目の旅立ち。

枡形に成ってる四谷見附、石垣を右に見ながら陸橋を渡ります。

下はJR中央線と総武線の四谷駅のホーム、メトロ丸の内線が通る旧江戸城外壕の跡。

左手には見附石垣の採石地などの説明板が有りました。

巨大な石は、遠く伊豆地方で採石され、船で運ばれたそうです。

陸橋を渡ると外堀通り、左に曲がってすぐに四谷見附交差点で 新宿通りと交差し、 

左右が外堀通り、直進が甲州街道の新宿通り。

外堀通りを先へ横断して行くのが甲州街道ですが、今日はそのまま歩きません。

四谷へ来た良い機会、是非行ってみたかったとこへ向かいます。

信号を左手へ渡り、そのまま外堀通りを200m程南へ行くと道は二股になり、

左手を辿ると赤坂見附を経て内堀の三宅坂へ、右手は明治神宮外苑へと続き、

正面は二股三角州の若葉東公園で、奥には豪壮な洋館の正門(国宝)が

見えてくるはず・・・が見えない?。

奥にあるのは国宝・迎賓館赤坂離宮です。

迎賓館では正門・外柵の修復及び補強工事を年内行っており見ることは

出来ませんでした。

(下写真は迎賓館パンフレットの国宝・正門)

脇の門から見た前庭と本館。

前庭の見学は、入場料も事前予約も必要なく開館時間内なら自由に入れますが、

館内や主庭の見学は有料で正門ではなく、西門から敷地内に入ります。

正門を右側へ回り込み、3分ほど歩くと道を隔て「学習院初等科」、

左手に迎賓館西門がありました。

西門を入ると地響きの様な豪音にビックリ。

なんと迎賓館敷地内地下を、首都高速道トンネルが通てるんですね。

西門を入って右手へ回り込むとテント場が有り、セキュリティーチェック。

空港と同じように手荷物をカゴに入れX線画像で手荷物金属探知機を使って検査を

受けます。

迎賓館は国賓を招く施設です。そのため、厳重な管理体制が行なわれています。

ドリンクを持ってる人はその場で一口飲まされるそうです。

ポケットのものなどすべて確認され、人はセキュリティゲートをくぐります。

凶器になるようなものなどは、一旦預けて帰りに出口で受け取るようになてます。

ミニ三脚を持っていたのは、預かりとなりましたね。

本館、主庭園、和風別館(予約必要)などは有料拝観です。

手荷物検査が終わったら券売機でチケットを買います。

えっ、五千円、一万円札は使えません! おや今時に・・・

終えて本館へ向かいますが館内にトイレは無いそうで、事前に済ませるよう

案内板が有ります。

左手に仮設トイレもありますが、少し右手奥の建物内にもトイレがあり、

ちょっとした休憩所などが有りました。

さて、いよいよ本館見学者入り口へ向かいます。

ここから先は写真撮影禁止で、スマホの使用も禁止、館内での飲食もできません。

国宝・本館 主庭噴水

迎賓館は紀州徳川家の江戸中屋敷跡で、明治期に皇室に献上された。

この土地の一角に明治42(1909))年、東宮御所として建設された、

日本では唯一のネオ・バロック様式による宮殿建築物です。

当時の日本の建築、美術、工芸界の総力を結集した建築物であり、明治期の本格的な

近代洋風建築の到達点を示しています。

戦後は国に移管され、昭和49(1974)年に迎賓館としてよみがえりました。

現在は、世界各国から賓客をお迎えする外交の場となっています。

創建から100年を迎えた平成21(2009)年には、本館、正門、噴水などが明治期以降の建物で初めて国宝に指定されました。

世界各国の国王、大統領などをお迎えし、外交活動の華やかな舞台となる迎賓館は、

 主要国首脳会議などの国際会議の場としても使用されています。

 施設概要
所在地    東京都港区元赤坂2-1-1
敷地面積    約12万平方メートル
本館構造    鉄骨補強煉瓦石造、地上2階(地下1階)
延床面積    約1万5000平方メートル          (パンフレット抜粋)  

(パンフレット写真)

入り口から館内、各所に男女の職員の方がいて、丁寧に対応してくれます。

さあ、本館内へ。

本館の中は一言でいえば大変ゴージャスです。

どの部屋も細部までこだわっていて、見どころ十分でした。

現在、国賓来日などのある日などを除いて、一般公開されています。

現在は昭和49(1974)年に新たに作られた和風別館は要予約ですが、

本館は予約なしで入れるので、気軽に訪れられます(有料です)。

(館内の様子は入り口で頂いたパンフレットの写真をスキャンした映像です。

 案内文もパンフ資料などを参照抜粋させて頂きました)

 

拝観順路案内に沿って館内へを進みます。

まずは多くの賓客をお迎えする豪華な深紅の絨毯や大理石の柱の「本館玄関ホール」

ガラス戸で仕切られていてホールへは入れません。

中央の赤い絨毯は、迎賓館の職員でさえ踏むことが許されていないという。

賓客をお迎えする際には、出迎える側は中央階段を下りてきて、玄関ホールの

中央でぴったり出会えるように計算しているのだとか。

階段の左右に張られている豪華な大理石、何度か出迎え風景をTVなどで見ましたね。

中央階段を上がって正面にあるのが「朝日の間」。

天皇皇后両陛下が賓客とご挨拶されたり、首脳会談が行われたりする、

迎賓館で最も格式の高い部屋です。

2年間の改修工事を行い平成31(2019)年以降に一般公開が再開がされました。

玄関ホールを過ぎて階段を上がって行くと「朝日の間」へ行きます。

天井を飾るのは朝日を背にし4頭立ての白馬の車に乗り、天空を駆ける女神絵画

朝日の間を後に拝観順路の次は晩餐会用の部屋「花鳥の間」。

着席で最大130人も入れる大きな部屋で、主要国首脳会議などで使われることもある

そうです。

木曽産のシオジ材で板張りされた内装は、落ち着きのある心地よさを感じさせます。

深い森のような落ち着いた室内には、さまざまな花と鳥がいます。

ここの内装は、16世紀後半ルネサンス期のフランスのアンリ2世様式。

柱などの直線や平行線を利用した、落ち着いた雰囲気の部屋となっています。

壁には四季の草加の中で戯れる鳥を表現した七宝焼、30枚で飾られてます。

七宝焼

花びらの1枚1枚や、羽毛の様子まで見事に再現されてます。

次にご紹介するのは「彩鸞(さいらん)の間」。

先ほどの「花鳥の間」とは雰囲気が変わり、白・金・赤の華麗な装飾の部屋です。

この部屋では天井に注目。まるで天幕のようなドーム型の天井は、

ナポレオン一世時代に流行したアンピール様式が取り入れられていて、

野戦の天幕をイメージしている。

こちらは、来客の控えの間や、条約などの調印式にも使われる部屋。

それぞれの部屋には、実際に接遇に使われている時などの写真も飾られています。

最後の「羽衣の間」は歓迎式典や晩餐会の前の食前酒を振る舞う場であり、

ここはかつては「舞踏室」と呼ばれていて、正面にはオーケストラボックスがあり、

演奏会に使われている。

謡曲の一節をフランスの画家が描いた天井画は天女が地上に降り立った気配の表現で、

天女は描かれていないが、舞踏会に集う淑女を重ね合わせる趣向と言われる。

迎賓館で最大、最も豪華なシャンデリアが、「羽衣の間」の3基。バカラ社のクリスタルガラスやボヘミアン・グラスなどが使用され、1基が7000ものパーツでできている。

賓客が使用される部屋や寝室などは拝観できません。

1時間半ほどかけて、ゆくりと拝観できました。

本館を見学し終えたら、入り口と同じ場所に出て、ここから本館の南側に向かいます。

途中の主庭の両側には記念植樹があり、西側には昭和49(1974)年、迎賓館での

最初の国賓、米国フォード大統領植樹のハナミズキ、隣には旧ソ連ゴリバチョフ大統領が平成3(1991)年植樹のフユボダイジュが有りました。

東側には英国エリザベス女王も植樹されてるそうです。

ハナミズキ(花水木)は、1912年にワシントン.に贈ったサクラの返礼として

日本に贈られた木として知られてますね。

家にも30数年前からハナミズキの白花が1本だけ植えてます。

南側には主庭が広がり、

その中央に位置するのが噴水は、創建当時からのもので、国宝に指定されています。

噴水は彫刻の石組みの上に青銅製の水盤を置いた構造で、中間の水盤の上にいるのは

シャチです。噴水塔を囲む縁石にいるのは亀、その四方を、鷺の上半身に下半身が

ライオンで翼を持つギリシャ神話にも登場する伝説上の生物「グリフォン」が

守っています。

噴水の位置が本館より低く設計されているために、列柱が並ぶ軽やかな南面の背景と見事に調和。

楽しんだ迎賓館。西側を周り北側の前庭を通って本館正面、前庭を通って

出口へと向かいます。

本館正面(昼頃は逆光になります)

前庭(北側)から見た本館(パンフ写真)

石造り鉄骨補強レンガ造りの組み合わせで、屋根は緑青。

中央に青銅製の阿吽の甲冑、少し離れて金の星を散りばめた天球儀と黄金の霊鳥が

飾られてます。

前庭では最近話題のアフタヌーンティーを頂くこともできます。

迎賓館の美しい建物を眺めながら、贅沢な気持ちでティータイムを過ごすのも

オススメです。

中門を向けて工事中の正門わきより迎賓館を後にしました・

まさに絢爛豪華、その中に和の美を取り入れた西洋宮殿。

ゆっくり過ごした良い寄り道でした。

再び若葉東公園を通って戻ります。

公園内には迎賓館赤坂離宮前休憩所があり、食事などもできる建屋がありました。

さあ、甲州街道へ戻り旅を続けよう。

旅は後編へ。