PM3:40、雨の中の高原ホテルへチェックイン。
濡れた雨具類の乾燥を準備し、まずは、立山の湧き水を沸かしたお風呂で
さっぱりとして、図書などを備えたラウンジで、冷え~たビールで乾杯。
明日は雨が降っていなかったら、歩けなかった室堂、天狗平間をゆっくり登り、
下山混雑前に山を下ることに決定。
(山、登らなくっていいのね、てまたカミさんに念押しされた)
部屋からの大日連山
ホテルは標高2300m、部屋にクーラーの設備は無かったよな。
6時からは大きなテルテル坊主に迎えられて、レストランにてふたたびの、乾杯!
本日の御献立表を読みながら料理を楽しみ、あとで出た焼きたての岩魚、
これが絶品、お酒も最高の味に。
生還?三年目、何らかの治療も再発もなく乗り越えられた、祝い旅、祝い酒。
あれは悪夢だったのかと笑いながら言える、今の幸せです。
ゆっくりと食事を終えて、ラウンジでしばしくつろぎ。
三泊四日の雄山~剱岳への縦走ビデをなどを鑑賞し登山気分に浸ります。
「雨があがり、星空が時折見えてます」との案内で、いそぎ部屋へ戻って羽織を
身に着け、借りたサンダルで、テラスへ。
満天とはいきませんが、大きく広がった空に浮かぶ星空は、息をのむような
美しさ。
「扇沢より1000m高くなった分、星が近くに見えるのね」と云う
カミさんの言葉もあながち誤りではないですね。
我がデジカメでは相変わらづとらえきれず、ホテルのパンフをお借りして。
実際に見上げた星空は、下の方は雲があり周囲はもっと黒の世界で、
雲間に覗いた星空は、天の川の帯が流れ、左右に幾つもの強く輝く星が
明るくキラキラ輝いてます。
さ~とガスが流れ来て、一瞬に周りの風景を消してしまいます。
わ~寒くなった!、ぶるぶる震えてで館内に戻り、もう一度お風呂へ行って
早めの就寝。
4時ころトイレに起きたときに窓から様子を見たが、周りはガスが流れ
全くの視界なし。
しばらくうとうとしたころ、カミさん起きだし、雲が少し動きだしたということで、
剣岳の望めるレストランへ。
やはり日の出目当ての方々が、三々五窓辺の席で剱岳方向を見つめてました。
目の前の大日岳連山上には雲の切れ間が出来ましが、日の出方向は雲が厚く、
しばらく待って残念でした~で部屋へ戻り、
今日の予定を確認しながら出立の準備。
7時からの朝食中に「見え出しました」の案内に窓を見ると、
山並みの一番奥に剱岳が姿を見せ始めてます。
部屋に戻りしばし寛ぎ予定を再検討。
昨日歩けなかったコースは登りになるが、ゆっくりと登って、
混雑の始まらない内に下山することに。
朝ドラをしっかりと見てから、ホテルを後にします。
偶然通りかかった、従業員の方にシャッターを押してもらい1枚。
AM8:40、立山高原ホテルを後にし家路へのコースをたどります。
いいホテルでした、お世話になりました~。
室堂へ足を進める前に、少し車道を富山方面へ下り、寄り道します。
室堂、立山ケーブル駅を結ぶ高原バスも走り出したヘアピンカーブの急坂を
しばらく下ります。
朝露に濡れて、チングルマ綿毛がキラキラ光ります。
今年は見られないと思っていた、ニッコウキスゲに出会い
ヘアピンカーブを三か所10分ほど下ると、右手に落ち込む谷間から風に乗って
沢音が聞こえてきます。
看板には「ソーメン滝」
まるで舞台演出のようにガス流れて幕が開き、舞台が広がりだし、
優しい柔らかな流れが山肌を下り、谷の渓流へ流れ落ちてゆきます。
渓谷に三筋の水の白い流れ、「わあ、きれい」とカミさんが叫んだほど。
(右がソーメン滝の流れ)
清涼感があふれるいい滝ですね。
さ~と、青空がひろがります。
再びホテル下の天狗山荘までエッチラオッチラ登り、
チングルマコースとも呼ばれる道を室堂目指して登って行きます。
右手の灌木の中に付けられた登山道を、若者二人が駆け下って行きました。
コース案内には登山道とあり、
「天狗平-弥陀ヶ原コース 天狗平と弥陀ヶ原を結ぶ標高差370mの登山道。
天狗平からは下りになります。
この登山道はかつて鎖り禅定路といわれた修験の道で、山岳信仰の名残を
色濃くとどめています。
かなり急な箇所もあり、体力と準備が必要です。
所要時間はくだりが2.5時間。のぼりは3時間」とありました。
聞いた話では、弥陀ヶ原からさらに下った滝見台付近でクマ出没の情報が
あるとの事、この付近から下は要注意なのでしょうね。
サクラタデ、右も同じかな?
左手に高原ホテル、右手の天狗山荘脇から室堂への道へ入ります。
ワレモコウとイワショウブ(岩菖蒲)
しばらく車道の右手を行き、左手に横断して行きます。
高原は花だらけ、こりゃなかなか足が進みそうもないな~
石室に道祖神、信仰の山の印ですね。
AM9:20 早くも下って来たご婦人二人。
やはり弥陀が原を目指すのだそうです。
おっ、コバイイケソウ まだ咲いてましたね。
振り返ったカミさんが「見えだしたわよ~」
岳人憧れの山、剱岳(2999m)が
おお、でた~!! ど~んと、姿を見せてます!
昨晩のビデオ映像を思い出し、う~ん、あれを登るとは凄い!!
脇のベンチでしばし山登り談義。
高山蝶のベニヒカゲか、クモマベニヒカゲの様です。
バリバリバリとヘリコプターの爆音。
山小屋への物資補給でしょうか。何度も往復をしてました。
正面にぱっと現れた雄山。
急ぎズームアップすると、山頂神社と小屋が見えました。
右、種をつけている、コバイケソウ、
もう少し早い時期なら、絨毯を敷いたように真白だったでしょうね。
いぜん登った北海道・大雪山旭岳のチングルマ大群生の思い出を語りながら
ベンチで一休み。
今咲きそうな、この花は?
うっすら緑かかった、アオノツガザクラ
目立つ黄色は、ミヤマキンバイ
小さな愛らしい、コイワカガミ
キレハハクサンボウフウ(切葉白山防風)葉の切れ込みが深い
谷の対面を来た作業ブルトーザーが回り込んできて、道幅ぎりぎり、
ゆっくりゆっくり天狗山荘方面へ行きます。
昨日雨で駆け込んだ天狗山荘前でみたブルトーザーではないかな。
朝からどこへ行ってきたのでしょう。
写真左上の対岸の道は今は徒歩通行禁止となっているコースで、
回り込んで地獄谷へ通じています。
ブルトーザーも回り込んだ谷間のU字路の始点。
ここからが一気に室堂平への、ごろごろ石場の急登階段状道。
手をつきながらいっぽ一歩這いあがって行きます。
”さ~ん歩歩いて、にほ下がる” いや下がってはいけません、
足を止めて深呼吸。
もうすこしよ、あまりのゆっくりさに、カミさんが苦笑い。
おっ、ターミナルが見えてきた。
数人のハイカーが谷へ下って行きます。
やはり弥陀が原まで行きようです。
結構人気のコースなんでしょうね。
あっ、変な花! ここだけ群生を見かけたが、何の花??
ニンジンのように細い葉が特徴、タカネヨモギかな。
最後の最後の急登り階段。
その先は天空、こんは風景が好きですね~
室堂を囲む山並みが見え始めます。
右手は一番の豪雪地帯。
6月まで、あの雪の大谷が見られるところですね。
大きな夏スキーも楽しめそうな雪渓が残ってます。
振り返り剣岳方面。
奥に見える山並みは黒部渓谷にもつながる、毛勝三山と呼ばれている。
毛勝山 2415m 釜谷山 2415m 猫又山 2378m。
富山平野から雪山姿が美しく、登山道が無いため登れるのは積雪期のみとか。
雲流れる剣岳(2999m)、あ~あと1m、3千メートル級に届かない!
雲流るる雄山を頭とする立山連山。
剱が見えたわよ!
振り返ると、 別れの時が近づき姿を見せた剱岳、2999mの山頂。
いや~なんとも嬉しい姿です。
AM10:50 コースタイムの倍を掛けて、目の前に浄土山が聳える室堂平へ
飛び出します。
正面に雄山(おやま)が。おかえり、そしてさようなら。
AM11:15、トロリーバスで室堂ターミナルを離れ、ロープウェイ、
ケーブルカー、そして虹の掛かった黒部ダム大放水をもう一度眺め、
再びトロリーバスと乗り継ぎバスを降りると・・
PM1:00、小雨降る扇沢駅。
楽しかった思い出を、沢山もらった山旅が終わりを告げました。
お目当ての蕎麦屋で遅めの昼食を摂り、
PM7:00、雨が降った様で若干暑さも和らいだ街へ帰宅。
「猛暑を抜け出し、涼しい所へ、立山黒部アルペンルート 」
いい旅、祝い旅は 「完」
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